使用例では実際の開発現場で計測されたバグ発見データを用いた分析例を示します.データは Tohma et al. による約 200 モジュールからなるリアルタイム制御に対するテストで得られたバグ発見個数データであり,111 の観測で 481 個のバグが発見されています.1
データは下記のURLからダウンロードできます.time
列にはテスト消化時間(1テスト時間),fault
列にはその時に発見されたバグ数が記録されています(図1).
https://raw.githubusercontent.com/rellab/SoftwareFaultData/master/tohma/tohma.csv
SRATS2017では時間間隔,累積時間のいずれも利用できます.先のバグデータのテスト消化時間を時間軸として評価を行います.time
列とfault
列におけるデータ部分を選択してSRATSを起動します(図2).このとき,メインフォーム上では Time Interval を指定します.
この例では基本11モデルに加えて標準形位相型分布モデルを追加します.「Models…」ボタンを押し,CanonicalPH SRGM を追加します.追加する位相型分布モデルの位相数は 2, 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50 とします(図3).
選択したデータに対してすべてのモデルのパラメータ推定を行います.メインフォームの「Estimate」で推定を行います.推定結果のサマリーのAICを押すと,昇順に並べ替えられ「20-CanonicalPH モデル」が最良になることがわかります(図4).
「20-CanonicalPH モデル」による評価結果を Excel シートへ出力します(図5,図6).
ここでの評価は
と評価されます.テスト管理者はこの指標をもとに追加テストなどの判断を行います.
Y. Tohma, Y. Yamano, H. Ohba and R. Jacoby. The estimation of parameters of the hypergeometric distribution and its application to the software reliability growth model. IEEE Transactions on Software Engineering, 17:483-489, 1991. ↩